王女にツバメ
鍵をなくしたもので

温かい地域へ渡ろうとしていたツバメは王子の像に言われて、その場に留まる。
ツバメは多くの人に幸せを運ぶ。

「でも結局、ツバメは冬を越せずに死んだ……」

文庫本を開いて横になる。仕事から帰って眠気と闘っていたとき。ちなみに空腹はもう失せた。

終わりの方まで読んで、それを閉じる。
一緒に目も閉じた。





犬飼が眠そうな顔でゲームをしている。あたしはその前のテーブルに座った。

「もうご飯食べた?」
「たまごパンを」
「好きだね」

欠伸を噛み殺して携帯をテーブルに置く。クリアの文字が画面に浮かんでいた。

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