月の光に魅せられて

招待状





リジナール王国の城下にある

格式の高さが際立つ大きな屋敷の一室では

カーテンの隙間から射し込んだ陽の光が、眩しいのか

ベッドのなかの膨らみがもそもそと動き始める



コンコン


「 アリア様〜入りますよ〜?? 」



この部屋の主人を起こしに来たのは

少し赤みのある茶髪をおさげにした侍女のリリーだ。

アリア様が寝坊だなんてめずらしいわ…

いつも入るときには返事があり、既にカーテンが開けられ

愛らしい笑みで迎えてくれるのに…


そう思いながら次々とカーテンを開けていく。



「 アリア様〜もう朝ですよ〜具合でも悪いんですか〜? 」



そう声をかけながら体を揺らせば

閉じられた瞼の長いまつげが開かれ

その瞳に光を映していく。









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