夢のような週末が過ぎた翌週から忙しくなった。
月末から始まる大型連休に備え、各取引先からの発注が軒並み増えだしたからだ。


新人社員の彼女は勿論、私や他の社員もその受注と生産量の増加に追われ、休んでいる間もない程に忙しい。
当然、研修社員に扮した彼にも遠慮なく仕事を回すことになり、その量が半端ないから申し訳なくもあり___。



『毎日たくさん仕事を任せてごめんなさい』


帰りながらメッセージを打ち込み、でも、助かります…とお礼の言葉を付け加える。


『ひょっとして、今帰り?』


今夜も残業?と訊ね返してくる文字を見て、はい…と送ると、大変だね…と眉根に皺を寄せる顔のスタンプが添付される。


『十分気をつけて帰って。部屋に着いたらまた連絡してくるように』


何かあったらソッコーで、と念押しする彼に微笑み、『はい。』とスマイルを送り返す。

多分、彼も毎日研修後に自分のオフィスへ戻り、仕事をやりこなしてるんだろうと思うと、それ以上はお邪魔もできない気配を感じて、息を吐きながらスマホをオフにした。