きらきら光る
わすれなぐさ色の過去
「陽咲。」
そう私を呼ぶ声を聞くだけで私の心は熱くなる。

「また泣いてんのか?泣き虫。ほら。」
そう言って優しく微笑みながら抱き締められると私の不安も悲しみも包み込まれる。

「啓吾」
「ん?」
名前を呼べば必ず振り向き手を差し出してくれる。その手を握るとどんな道へも進める勇気が湧く。




この手の中には私の欲しい未来ある。



そう思っていた。
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