私の幻想はホントにあった
8.憂鬱で最悪な1日
そうして、時間が流れ、ホームルーム。





「え~、明日から夏休みです。楽しく遊ぶのも良いですが、

しっかり勉強して、宿題もしっかりやってきてください。

あと、クーラーのかかった部屋にこもりきりではいけません。

ちゃんと外に出て、運動もしっかりしましょう。そして、

熱中症にならないよう、水分補給、それから、塩分補給も

忘れないように。難しい事ですが」





夏休み前の最後の登校日が終わった。





〝キーンコーンカーンコーン〟





今日は、聖子が休んでいるため、ミリカは1人で帰った。





「あ~、今日は、せっかく夏休み前の最後の登校日なのに、

聖子がいないなんて~・・・寂しいし、つまらない」





いつもは聖子と一緒に帰るのが当たり前だったため、

1人で帰る今日がとても味気なかった。





やがて、また家に着いた。





「ただいま~」

「お帰り~」と、いつものように母が言った。

アレ?どうしたの?明日から夏休みなのに、

元気なさそうじゃない?」

「うん。色々あってね」

「そう。まぁ、でも、夏休みは、きっと良い事あるわよ!!」

「そうだね」

そうしてまた、ミリカは、自分の部屋に入った。

一方、母は、

(あの娘、何かあったのかしら?)と思っていた。





ミリカは、自分の部屋に入った後、順子に落書きされた愛読書

「魔法の国と夢見る少女」をカバンから取り出した。





「あ~あ~、大事な本なのに、ホント最悪。それに、何よ。

〝魔法が子供騙し〟なんて・・・は~。夏休み、

おばあちゃん家に行くのは楽しみだけど、他には特別やる事ないし、

良い事なんてあるのかな~・・・?」
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