約束のエンゲージリング

episode9

*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*



『千佳、少し遠くの配達に行ってくるけど、店番1人で大丈夫？閉めて行こうか？』

「30分後にご予約のお客様がご来店するから店は閉められないよ。大丈夫っ！マサさんは気にせずに行ってきて？」

『、、出来るだけ早く帰ってくるから、気をつけてね？』

「急いで事故にあったりしたら洒落にならないから安全運転でお願いします。」

『分かった。じゃあ行ってくるよ。』







後ろ髪を引かれながら、店を出て行った彼。

そんな彼の後ろ姿を見送ってからご予約の花束を作り始めた。

















新しい新居に引っ越してから早2ヶ月がたった。


あの日を境に2人の関係性は一気に変わった。




仕事が終わると新しい新居まで送ってくれるのは想定内だったけど、次の日が仕入れじゃない日は泊まっていってくれるようになったのだ。

彼の部屋の合鍵も渡された。





殺風景だった私の部屋は少しずつ彼の荷物が増えていき、今ではわざわざ彼の部屋に着替えを取りに寄ることなく生活が出来ている。

仕事終わりに2人でスーパーに寄って、食材を買って帰り夕飯の支度も2人でする。