Legal office(法律事務所)に恋の罠 *番外編~ジェラシーは内密に~

ジェラシーの始まり

Hotel Blooming 東京のCEO・桜坂奏が、企業弁護士である夢谷和奏と婚約したのは、出会ってから4ヶ月後の7月の大安吉日のことだった。

男嫌いの女性専任弁護士として世間には知られていた和奏だったが、それが、同職者によるストーカー行為に対抗するためのパフォーマンスであったことが判明した事実は皆の記憶に新しい。

奏の妹、桜坂莉音に対する仲川将生の付きまといと脅迫行為をきっかけに、奏と和奏は急接近した。

お互いのバックグラウンドや見かけの美しさに引かれるのではなく、ただの男と女として惹かれあった。

トラウマを乗り越えて、奏の腕の中に飛び込んでくれた和奏に、奏は感謝しかなかった。

Hotel Blooming 東京 の雇用条件や職務規定の見直しをはじめ、女性を中心としたスタッフの法律相談の実施など、和奏がこの3ヶ月間で成し遂げた業務改革は広範囲に渡る。

新規採用者は勿論、それ以外のホテルスタッフの離職率も減った。

丁寧にホテル内の施設を巡回してスタッフに寄り添う和奏の姿は、

"Hotel Blooming 本社の女神"

と謳われるほど、スタッフの信頼を得ていた。

そんな和奏を溺愛する奏も、

"以前よりも親近感が増した"

と、スタッフからの評判も上場だ。

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