Legal office(法律事務所)に恋の罠 *番外編～ジェラシーは内密に～

ジェラシーの真相

｢もう、わかったわ。奏くんが本気だと言うことも、和奏ちゃんが彼を本気で信頼しているということも｣

｢そうだな･･･｡怒りも反論もせずに、私の目の前で二人が愛し合っている証拠を見せつけるなんて粋じゃないか。仕方がないから、二人が本気だということを私も認めよう｣

残念そうな言葉とは裏腹に、ファン氏の表情は明るい。

｢初めから奏さんを試してただけのくせに･･･｣

和奏の呟きに、奏は驚いて目を見張る。

｢だって、私の可愛い和奏ちゃんが、奏くんの愛は同情じゃないかっていうから｣

｢ちょ･･･,紫織さん｣

赤く頬を染めたレアな和奏。

｢そうだぞ、紫織の泥沼離婚で大変世話になった和奏に、何かお礼をしなければと、紫織と二人で作戦を立てたんだ。余計だったかな？｣

｢･･･余計な･･･わけではありません。ありがとうございました･･･｣

恥ずかしそうにお辞儀をする和奏は、激レア中の激レアだ。

奏は思わずスマホを取り出して、写真を撮ってしまった。

｢もう！奏さん！｣

嬉しさに心が舞い上がる奏は連写の手を止めない。

呆れる和奏も、照れる和奏もすべて可愛い。

少し前まで、異様な緊張感に包まれていたファン氏の控え室は、笑いに包まれていった。