片想い同盟
love*2

□ 恋愛初心者




朝の登校時間。


自転車に乗って信号待ちをしていた私の肩を、後ろから誰かに叩かれた。




「おっす」

「あ、なんだ拓海か。おはよ」


それは、同じく自転車に乗っている拓海。



同じ中学ということもあって家の方向が同じだから、こうして登校時間が被るのはよくあること。



「なんだって失礼だな」なんて文句を言っている拓海の今日の髪は、寝癖なのか襟足がピョコンと跳ねていた。



「ふっ、拓海あんた、髪跳ねてるよ?」

「え、まじ?どこ」

「そこ。あー違う、こっち」


まるで見当違いなところを触るものだから、痺れを切らして手を伸ばす。


軽く手直しすると、そこまで頑固ではなかったのか、案外すぐにそれは直った。



「はい、おっけー」

「サンキュ」

「どういたしまして。あっ、青だよ。行こう」




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