結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「ちょっかい?かけちゃダメなの?」
別に問題なくない?
と言う飯田くんにわたしはポカーン。
あやちゃんもそれには少し面食らったようで
「は、はぁー?!
あんたはいいかもしれないけどゆきが困ってるんだからダメに決まってるでしょ!」
「え、そうなの?
ゆきちゃん、俺って迷惑?」
悲しそうな顔をしてそう聞く飯田くんに、少し焦る。
「いや迷惑っていうか、飯田くんの行動が直球すぎてちょっと戸惑っちゃうっていうか……」
なるべく飯田くんを傷つけまいと、オブラートに包んで話す。
「ゆき、それを世間では迷惑というのよ」
あやちゃん!
わたしがせっかく言葉を考えて言ったのに、台無しじゃないですかい!
「そっか、そうだよね。
俺の気持ち、ゆきちゃんには迷惑でしかないよね」
ほらぁー
飯田くん拗ねちゃったよ……
そんな飯田くんを見てあやちゃんは、
「これのどこが爽やか王子よ」
なんて呟いていた。
あやちゃん、それはわたしも思ったよ。
だって、6組の教室に来てわたしたちと話す飯田くんには、爽やかって感じが全くしないんだもん!
雰囲気は爽やかイケメンだと思うけどね。