結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


するとそんなわたしにあやちゃんは言った。



「結城くんにアタックすればいい話じゃん。

難しく考えなくても簡単なことでしょ?」



アタック?



「アタックって例えば何するの?」



なんせ恋愛経験がほぼゼロに等しいわたし。



そんなわたしに知識なんて全くといっていいほどないわけで。



わたしの知識源はあやちゃんと周りにあるのだ。



「例えば結城くんとの距離をいつもより少し縮めてみたりとかー、ボディータッチしてみたりとか?

あ、デートに誘ってみるのも1つの手段じゃない?」



ぼ、ボディータッチ……?

デートに誘う……?


無理…

わたしにはハードルが高すぎる!



「あ、そーだ!

いいアイディアがあった!」



頭の中でイメージして勝手に恥ずかしくなってるわたしをよそに、あやちゃんは何かひらめいたみたい。



「ゆき!ちょっと耳貸して」



そう言ってわたしの耳に近づいて言った。



「結城くんの服の裾を掴むの。

それで、上目遣いで結城くんを見てこう言って」


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