結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


昨日からの出来ごとを忘れるかのように授業に没頭して、気づけば4限目が終わっていて。



今日のわたしの集中力は、鬼ですよ。



でもやっと、あやちゃんとの憩いの時間!



「ゆき、お昼食べよ」


「うん!!」



机をくっつけてお弁当箱をあける。



うん、今日も美味しそう。



「いただきま……」


「ちょっといいかな?」



―ギクッ!



突然聞こえてきた声。


まって、すごく嫌な予感。



声が聞こえた後ろの方にゆっくりとふりむく。



「っ…!」



やっぱり。


でましたよ、意地悪猫かぶり王子が……。



教室にいる女の子や廊下にいた女の子たちは、突然の王子の登場に黄色い声を響かせている。



あやちゃんというと、


__ご想像にお任せします……。アハハ…


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