笑顔でいいの?
圭ちゃんは………彼氏?
それから…………

お母さんのご飯を食べて、十数年ぶりの家族の団らんをした。

そうして

『またいつでも帰っておいで』と言われて

実家を後にした





来た時の緊張がウソのように、穏やかな気持ちで助手席に座る私。

「圭ちゃん………………ありがとう。」

「咲、頑張ったな。」

伸びてきた、大きな手に、頭を撫でられる。

「圭ちゃん。
笹兄にもお礼が言いたいから、お店に寄ってもらって良い?
お兄ちゃん達のお陰で…………
長い間ずっとあったしこりが、やっと溶けたんだもん。」

「…………………………。
はぁ!?」

そう言うと、さっきまでずっと良かった機嫌が

一気に落ちた。

あれっ??

何か変なこと言った??

怒った意味は………全く分からない。

えっ??

なになに??

圭ちゃんの顔色を伺って、覗き込むと

「咲。
お前は、俺の何になった?」と。

……………………………………??

………………………………………………………………………!!

彼女だ!!

「その顔は…………………思い出したみたいだな。
アホ!!
このまま帰るからな。」

忘れてたのは、悪いけど…………………。

あんなバタバタな告白で彼女って………………。

おまけに、その後実家に行ったんだもん。

実感なんて持てないよぅ。

……………………………でも

キスしたんだった。

圭ちゃんと…………………………キス。

確かに………圭ちゃんはお兄ちゃんじゃないよね。


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