私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
第5章 これは……恋ですか?
「八木原。
ちょっと」

佑司があごで、会議室を指す。

「……はい」

月曜日。

なぜか、佑司から呼ばれた。
感情を見せない顔で、しかも八木原と名字で呼ぶのは、酷く怒っている。
必死になにか仕事で失敗したんじゃないかと考えるが、思い当たる節がない。

「なあ」

――ダン!

会議室でふたりっきりになった途端、佑司は私の顔横の壁を思いっきり叩いた。

「金曜、男とふたりだったってほんと?」

私を見下ろす、そのメタル眼鏡と同じくらい冷たい視線。
なにか間違った、それはわかる。
でもなにを間違った?
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