インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
密着型特訓?これはもはやデレのテロだ~幼馴染みが溺愛系俺様イケメンに豹変したら発熱した件~
ターゲットのカップルのあとを追ってカフェを出る頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

昼間は家族連れの姿も目立ったけれど、時間が遅くなるにつれてカップルが増えている気がする。

ターゲットはショップやレストランなどの並ぶ建物を出て、海沿いにベンチの並ぶシーサイドエリアを歩き始める。

この場所に至っては、どこもかしこもカップルだらけだ。

カップルたちはべったりくっついてベンチに座り、海辺の綺麗な夜景もそっちのけでイチャイチャしているので、正直言って目のやり場に困る。

ターゲットの二人も空いているベンチを見つけると、他のカップルと同じようにイチャイチャし始めた。

さすがにこればっかりは真似できない。

「夜景も綺麗だし、俺たちもそこのベンチに座ろうか」

「ああ……うん、そうだね」

確かに夜景は綺麗だし、ロケーションとしては最高だ。

滅多に来ない場所にせっかく来たんだから綺麗な夜景を堪能していこう。

ほんの少し間隔を空けて二人でベンチに座り、遠くの方に見える街明かりやライトアップされた遊覧船を眺めていると、尚史が突然私の肩に手を回した。

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