W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~

日常に変化

日本を代表する本郷グループ。
そこには有名な双子がいる。
本郷グループ総裁の孫で、二人とも容姿端麗、頭脳明晰、アメリカの有名大学出身、MBA取得。
華々しい経歴は同じでも性格は正反対。

兄は明るく社交的、仕事もやり手で若くして本社の専務。後ろ楯がなくても実力でなれるだろうというのが周りの評価。その甘い顔で泣かせた女も数知れず。

弟は物静かで本をこよなく愛すインドア派。仕事は出来るがある意味引きこもりがち。本社から地方の子会社を転々とし、今はそのうちの一つ、F LINE(エフライン)という通販会社の社長をしている。

まるで陰と陽を表したような二人でも、見た目はそっくりで親でも見分けがつかないらしい。
会社の女子たちはいつも噂をする。
二人のうちどちらがかっこいいか?
どちらと付き合いたいか?
揃ってお目にかかることは滅多にない二人が並んだらどうなるのか?
そして、どちらが総裁を引き継ぐのか・・・?

そんな双子のうちの一人、エフライン社長、本郷梗月(ほんごうきょうげつ)の秘書
新村静香は今日も社長宅へお迎えに上がる。
朝の7時半、高級マンションの最上階。馴れた手付きで渡されてる合鍵を使い鍵を開け、ズカズカと入っていく。

「社長!おはようございます!起きてますか~?」

梗月の秘書になって2年。
朝の弱い社長のお迎えは日課になっている。
遠慮なく寝室のドアを開けるともぬけの殻。
ふう、と、ため息をついてリビングへ向かう。
ドアを開けると広いリビングの中央に立派なL字型の白い革張りソファーがあって、背を向けている端からちょこんと足が見える。

「しゃちょ~~!またこんなところで寝て!」

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