W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~

偽れない気持ち

奈津子と双子は物心つく前から何度となく会っていた。
可愛くて天真爛漫な奈津子。その後を双子はいつも付いて回っていた。
その頃奈津子は双子の事をちゃんと見分けることができていた。
学校に通うようになり夏休みなど長い休みの時にしか合わなくなっても双子は奈津子の事が大好きで、屈託なく笑う奈津子に見惚れ初恋を芽生えさせた。
まだ幼かったからその頃は憧れだけが募って奈津子とどうにかなりたいとは思っていなくてただ一緒にいることが楽しかった。
二つ年上の奈津子はどんどん綺麗になっていって、夢中だった双子。
そんな双子も類まれなる美貌で周囲の女の子たちの憧れで中学に入るころにはモテモテだった。
ただ、同じ顔でも性格の違う二人。
よく間違えられ、どちらでもいいと言われながらも、大人しい梗月より、いつも楽しい涼月の方がいいと周りに言われ続け、梗月はその頃から自分の殻に閉じこもるようになっていた。
奈津子がアメリカの大学に行ってしまって会えなくなってしまった頃には涼月は切れることなく彼女がいて、梗月もまた静かに本を読む姿が女子生徒の憧れでもあり告白されることが多かった。
だが、付き合ってみたものの、なぜか数カ月も経たないうちに涼月の方がいいと去っていく。
梗月は知らなかったと思うが、涼月が梗月に彼女ができるとその彼女に近付き甘い言葉を掛け誘う。
それに乗ってしまった彼女は梗月と別れ涼月の元に行くが、いつもこういって相手にしない。

「俺に誘われたぐらいで梗と別れるだなんて、ホントは大して梗の事好きじゃないんだろ?浮気する奴に興味はないんだよ」

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