佳子ちゃんの話を一通り聞くと、結城くんの恋愛話へと話が進んだ。

クールな彼の恋愛の始まりは……何だか自分と被る事が多かった。

「お試しで……とか、1週間でいいので……とか、友人として……とか。その……、正規の告白がなくてですね。いつ付き合ったのか、いつ別れたのか、付き合っていたのかも……」
彼の言葉に共感した。
いつもそう、私の始まりも……。
ただ、いつ別れたのかではなく

私の場合は最初から、“付き合っていない”のだけれど。

「大学時代……4年間付き合った人が居ました」
彼のその言葉に、私と彼に格段の差があったことを自覚した。

「彼女の気持ちを察することもそうですし、彼女にしっかり向き合っていれば見えていたかもしれませんね。相原さんが言うように、あの時も、自分から何もしませんでした。始まりも、終わりも、彼女が決めた。ただ、それに合わせただけの4年です」

『ただ、それに合わせただけの4年』
彼はそう言ったけれど……私には、合わせるチャンスも与えられなかった。
向き合わなかったのは、私ではなく、彼らだった。

だけど、それが彼らの“自爆”だったとしたら……
私も結城君のように彼らに興味がないと思わせていたのだろうか。

やはり、私の方に問題があるのだ。


「佳子さんより、結城さんの方が重症なの、わかりました」

呆れた調子で言う、るなちゃん。
だけれども、佳子ちゃんより、結城君より
私が一番重症なのよね。

「二人はどうなの? 」
佳子ちゃんの問いかけに

「私はちょっと、気になるというか……癒されてる人が……いるかな」
思わずそう言った自分に驚いた。

恋愛話だ。今、振られたのは。
お酒の力もあったのかもしれない。
彼のbarでは、あまり酔えなかったのに。

いつの間に、彼の事をそんな風に思っていたのだろうか……
そして、この気持ちを自分で、一種の希望のように思っていたことを今この瞬間に自覚した。
何か、変われるかもしれない。
また、少し……。
久しぶりに、明るい気持ちになったのは
辛いことがあったのに、いつも通りにこやかに笑う佳子ちゃんに、感化されたからかもしれない。