【中条麗佳】27歳。といっても誕生日がくれば28歳になる。

これは、2年前に遡る。

化粧品会社の事務をしていたが3年目に差し掛かった頃…会社が業務縮小により、

この地域から撤退することになった。

半年前に告知され

転職先を探していた際に会社があったこのビルのオーナー会社より打診を頂き

間もなく、今の会社へと再就職を果たした。

正直、有り難かった。

通勤環境もそのままに働ける。勤務先が3階から6階へ変わるだけだ。

そのうえに、以前より給料面、待遇面も申し分なかった。

ただ、1つを除いては。

事務希望です。そう先方に伝えたにも関わらず

営業での配属。

近々、入ってくる男性2名と、次年度の新卒で入ってくる女性…

それから、今他部署にいる男性とで新たに営業部を作る。

ならば、そこで営業事務をと懇願したが

『やってみるといいよ、大丈夫。それに…事務はもういるんだよね。』

あっさりとそう言われた。

愛想のない女。

こんな私に営業だなんて。

しかも…全く経験のない、世界で。

まともに人と関われない私が。

だが、期待には応えないと。

それに…この職場環境は魅力だった。

仕方なくそのまま、承諾した。

営業部のない会社があることにも驚いたが…その立ち上げに携われる事は、違う楽しさもあった。

入ってみると、妙に勘ぐったのが馬鹿みたいに癖のない人間関係。

営業部がないのは、社長含む上層部がそのポジションだった為。

事業の拡大により、営業部の発足となったのだ。

引き続き、上層部が営業の直属となる。

私が望んだ“事務”のポジションにいた彼女は

私の中のコンプレックスをそのまま形にしたような人だった。

明るい性格。

近い距離。

誰もが彼女を愛している。

ふわふわと笑い、誰とでも、いつでも楽しそうに過ごしていた。

彼女がいれば、それだけでその場が明るくなるようだった。

…見たくない。

見れなかった。眩しすぎて…。

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