桜の下で会いましょう
第3章 妻の嫉妬
艶やかな公達に出会ってから、二週間が過ぎた。

もう女は捨てた依楼葉。

あの公達には、もう二度と会えないと分かっていても、ふとした時に依楼葉は、あの公達を思い出してしまう。


「春の君様はこの頃、一段と艶めかしくお成りになったような。」

宮中の女房達は、初めての恋に悩む依楼葉を、余計にはやし立てた。

「もしかして、新しい恋人が、お出来になったのでは……」

「それって、私のこと?」

「何を言っているのよ。私の事よ。」

依楼葉の知らない間に、女房達は盛り上がるのだった。


その様子を依楼葉は、宮中に出仕する度に、感じ取っていた。

「何だか女房達が、前よりも騒がわしくなっている気がするのですが……」

「ははは。最近春の中納言は、艶めかしいと評判だからな。」

「艶めかしい?私がですか?」

父は、依楼葉をチラッとみた。

「ああ……恋でもしているのかと、専らの噂だよ。」

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