旦那様の独占欲に火をつけてしまいました～私、契約妻だったはずですが！～

『キミともう一度恋したい』

ここ最近、休日はお母さんと昼食を作ることが日課となっていた。

「うん、芽衣さんとってもいい味つけ。美味しいわ」

「……よかったです」

味見をして美味しいと言ってくれたお母さんに嬉しくなる。

「いい匂いだな」

お父さんはキッチンに入ってくると、鼻をスンスンさせた。

「あなたったら。もう少し待っててください」

「楽しみにしてるよ」

今までだったら休日でも家政婦さんが作った料理を、家族で食べていた。でも今は違う。

休日は家政婦さんにも休んでもらい、私とお母さんで作っている。並んでキッチンに立つ時間はまだ慣れなくて、恥ずかしくもあるけれど幸せだった。

それからお兄ちゃんも交えて、四人で旅行の話をしながら昼食取った。

その日の夜、入浴を済ませて自分の部屋に入ると同時にスマホが鳴った。相手は玲子からだった。

『やだ、絵にかいたような幸せな家族図じゃない』

「……うん」

最近はどうなの？　と聞かれて話すと、玲子は自分のことのように喜んでくれた。