初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~

継母

「もしもし」
『未来ちゃん?』
電話の向こうの声は随分慌てている。
「どうしたの?」
『もー最悪なのよ。パパが』
「龍之介がどうしたの?」
どうやらまた何か起きたらしい。

『未来ちゃんがいない間にパパと喧嘩になっちゃって』
ええー。
『もういい、出て行く。って、マンションを飛び出したの』
「それで?」
『頭にきたからカラオケに来たんだけれど、』
「うん」
『パパがカードを止めたらしくて』
「はあ?」
思わず間の抜けた声を上げた。
『でしょ。びっくりでしょ?酷いわよね』
いや、そうじゃなくて・・・
『店の人が警察を呼ぶって騒いでいるの』
なるほど。

「店の名前と住所を教えて。今から行くから」
『ありがとう未来ちゃん。大好き』

プツン。
私は返事をせずに電話を切った。

「ごめん、帰るわ。お茶をありがとう」
「ああ。電話、樹里ちゃんだろ」
「うん」
「龍之介さんにちゃんと話せよ」
「わかってる」
でも、その前に樹里ちゃんをなんとかしないと。
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