お前がいる場所が、好き。Ⅰ
口に出してしまう『可愛い』

次の休みの日。わたしは、また湖の場所へ行こうと思っているので、お菓子を買いに近くの菓子屋へと行った。


きょろきょろと見回しながら歩いていると、奈緒の姿があった。奈緒も、お菓子を選んでいるのだろうか。



「あっ、奈緒ー!」



わたしは、奈緒の元へ小走りで行った。奈緒はすぐに気がついて、にっこりと笑みを浮かべた。



「沙織も来てたんだー!」



「うん! 今から綺麗な湖のところへ行こうと思ってて……。寺本と、寺本の兄弟も一緒だからさ、お菓子持って行こうかなって思ったんだ」



「そうだったんだ! あたしもお菓子買いたいんだけど、迷っちゃって。実は、あたしも男子と一緒なんだ」



奈緒と一緒にいる男子は、どんな人なんだろう。奈緒は、勉強したり読書したりというイメージが強いので、彼女が男子と一緒にいるだなんて、想像が出来ない。



「何にしようかなぁ……」



「迷うよね。結構あるし、どれも美味しそうだし……」



わたしと奈緒は、あちらこちらのお菓子に目を動かしていた。
あまりのんびり選んでいる時間は、なさそうだ。早く決めて、湖の場所へ行かないと。




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