好きになっては‥‥いけない人

②・・花


ひな君を追いかけていくと
柵の向こう側に男性が立っていた

人見知りの激しいひな君が
その男性に遊ぼうと・・
まだ、はっきり発音できないから
慣れていない人には、
理解できないけど・・

その人は、本当に申し訳なさそうに
ひな君に謝りながら戻って行った。

保育園の隣の会社に来ている
人みたいだ・・・
背がすっごく高くて
そして・・綺麗な顔をしていた。

胸がすごくドキドキしているのを
まぎらわすのが精一杯で
申し訳ないがひな君を連れて
そそくさとその場を引きあげた。

その日、一日あの人の事が
頭から離れずにいたが
何とか園の仕事も無事に終えて
「お疲れ様でした。」
と、先生方に挨拶してから
駐車場に向かった。

すると
「帰りですか?」
と、先程の男性。
「はい、今終わりました。」
と、答えると
「一緒に食事をしませんか?」
と、誘われて
えっ、私?
と、考えていると
私が困っていると思ったのか
忘れてくださいと・・言われて・・

えっ、突然だったから・・と告げて
一緒に食事に行っても良いか
と、改めてきくと
ぱぁっと、顔が変わり
喜んでくれたが
直ぐに困った顔になり
今度は?と思っていると
この辺りを知らないみたいで
私が知っているお店に・・と。

凄くキリッとしたイケメンさんなのに
表情がコロコロ変わって

クスッ、親しみがわく・・

イケメンさんから名刺を頂いた。
大輝と書いて、はるきさん。
私も花とかいてめいだと話した。

稜さんのお店『四季』に案内した。

私のお気に入りのお店。

大輝さんも
「美味しい。」
と、言ってくれた。

大輝さんは、27才
あっ、お姉ちゃんと一緒だ。
と思いながら······

学生時代の話や園の子供達の話・・
いつまで話してもきりがなかった
楽しかった・・

なんか、久しぶりの感覚に
戸惑いがあった。

学生の時は、それなりに彼氏もいた
片想いもした
だけど、保育士になってから
恋愛に遠退いていた。

大輝さんとLINEを交換して
帰宅すると
お母さんから
「花、おかえり。」
「ただいま、お母さん
急にごめんね。」
「大丈夫よ。先生達と?」
「あ~いやっ、違う。」
「えっ、なに?なに?」
「もぅ、いいでしょ。」
「うふふっ、はいはい。
   お風呂入っておいで。」
「うん。お父さんは?」
「今日から出張よ。」
「あっ、そうだったね。
じゃ、お風呂入ってくる。」
私のお父さんは、大手薬品会社の
部長をしている
お母さんは、専業主婦。

私が言うのも変だけど
父も母も凄く綺麗な顔をしている
いわゆる美男美女
その上、父は母を溺愛していて
とっても仲の良い夫婦。

私も両親みたいな夫婦になりたい
と、思っている。
理想な夫婦だ。

私には、姉が一人いる
名前は芹那
この人がまたすっごく綺麗で
頭も良くて優しくて
大好きなお姉ちゃん。

今は、一人暮らしをしているから
離れているけど
連絡くれたり、一緒に買い物したり
と、仲の良い姉妹だ。

あっ、大輝さんからLINEがきた。
うふっ・・
私も返して、眠りにつくことにした。

また、一緒に食事いけるかな
行きたいな・・・
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