「藤川さん」
校舎の屋上で煙草を吸っていた俺は、その声にうんざりして振り返った。
「総長から、ガレージに来てくれって伝言です」
屋上の扉を開けて立っていたのは、予想通りアッシュグレーの髪を揺らす乾(いぬい)だった。
「何のために携帯があるんだよって言っとけよ」
「藤川さんが言ってくださいよ」
そう事もなげに答える乾。
仕方なく屋上の灰皿に吸いかけの煙草を押しつけ、俺もその隣に並ぶ。
落書きだらけの屋上の扉を閉め、これまた落書きだらけの階段を下りた。