星野くんとの朝時間
4 誤解
それから数日、何事もなく日々は流れていった。

朝は親友と通学し、私と星野くんは何の接点もないクラスメイトに戻っていた。

休み時間、用事のあった職員室から戻り、ぼーっと自分の席に座っていた。


(次の時間、何だっけ。何で、皆いないんだろう)


がらんとした教室に一人座っていると、がらりと傍のドアが開いた。

「あれ、本條さん、次移動だよ」

背の高い、赤茶けた髪。八坂君だった。


(どうりで誰も居ないわけだ)


「ありがとう、ぼーっとしてて気づかなかった」

八坂君は忘れ物を取りに来たらしく、机の中をあさりクロッキー帳を手に持った。

そして、近づいてきた。


(!?)


「オレ、八坂大輝、知ってる?」

クロッキー帳を小脇にかかえて言う。

「?」

顔にはてなマークを浮かべながら答える。

「知ってるよ。クラスメートなんだから」

「あーよかった。でさ。最近朝早く来ないの何で?」

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