星野くんとの朝時間
6 告白
次の日、昨日より30分早い目覚まし時計を止めて起床した。

念入りにブローをし、身支度をすませて登校する。

誰もいない教室で席に着き、大きく深呼吸を三度くり返す。

ガラッと教室の前方の扉が開き、星野くんが入ってくる。

星野くんは私を見て、普段はいない先客にびっくりしたようだった。

そして小さく微笑むと、口を開いた。


「おはよう、本條さん」


私は席についたまま答える。


「星野くん、おはよう」


声はふるえていないだろうか、うわずってはいないだろうか。

単なるあいさつの四文字がとてつもないモノのように感じた。


(言え、言うんだ)


ドッドッと胸が鳴っているのがわかった。

顔が熱い。

ガタンと席を立ち、席についたばかりの星野くんの方へ向き直る。

「ほ、星野くん!」

思った以上に大きな声が出た。
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