星の降る夜に

浩太side

意識を失った愛純。どうも最近調子が悪い。起立性低血圧なのはそうだけどPTSDも悪化してるみたい。そっちは心の方だからちょっと難しい。

「愛純…愛純…

あ、愛純!大丈夫?」

「ん…?こうくん…」

珍しいこうくん呼び。愛純は辛い時大抵、こうくんと呼ぶ。

「愛純、辛いな…。さっき意識飛ばしたの覚えてる?」

「なんとなくは…」

「熱は8度。今日はお泊まりかな…。」

「そうだよね…また怒られちゃうな…お母さんにもお父さんにも。」

愛純はいつまでたっても両親から離れることができてない。本当はものすごく離れたいはずなのに。お母さんには私しかいないからって。お母さんと一緒に私も一緒に暴力受けなきゃって。そんなことしなくていいのに。大人は好きに逃げられる。けど子供は居場所がなきゃ逃げられない。今は自分のこと大切にして欲しいのにな…。暴力を受けていることを警察は知っているのに動かない。それは愛純の父親が警察幹部の息子だからだという。警察も本当に役に立たない。

「愛純?今は自分の体のことだけ考えよ。お母さんには俺から電話しておくから。」

「ダメだよ!お母さんに負担かけたくないの。私が入院するって言ったらもっと心配しちゃう。」

「わかったわかった。落ち着け。じゃあ自分でメール1本くらいしとけよ?今日は友達の家に泊まりますとでも入れとけな?」

「うん…。
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