洗脳学級
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5月中旬の青い空の下、公園のベンチに座る2人の少女がいた。


1人の少女は顔色が悪く、スマホを持った手は小刻みに震えている。


「ボクが解決してあげるよ!」


少女の持つスマホから、そんな明るい声が聞こえて来た。


画面上にはピンク色のウサギが体を揺らし、こちらを見ている。


「あたしは……どうすればいいの……?」


そう聞いた少女の目には涙が浮かんでいる。


よく見ると半袖のシャツから覗いた細い腕には、いくつもの傷ができていた。


「イジメっ子を、殺しちゃえばいいんだよ!」


ウサギが飛び跳ねてそう答えた。


少女はビクリと体を震わせ、そして隣に座る同年代の友人へと視線を向けた。


「殺しちゃえって……どうしよう……」


視線を向けられた少女はとまどいながらも、口を開く。


「じゃあ、その通りにしてみたら……?」


5月下旬の、生温かな風が2人の間を通り過ぎて行った。

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