皇子アディスは、婚約間近の女性イリュージュがいた。

 イリュージュは少し変わった女の子で、瞳の色が赤く雪のような白肌をしていた。

 2人の出会いはアディスが学生で卒業間近なとき、海で出会った。

 イリュージュは初めは断っていたが、何度か会っているうちにだんだんとアディスに惹かれていった。


 ある日。

 アディスとイリュージュが車に乗り、出かけていると突然落石が起こった。

 落石の弾みで車外に飛び出たアディスは転落しそうになり、かろうじて掴まっていた。

 怪我の痛みをこらえイリュージュは飛び出してきて、アディスを助けようとしたが、突然銃で撃たれ右手がちぎれてしまった。

 転落しそうになったアディスだが、どこからともなく現れた空飛ぶ竜に助けられ一命をとりとめた。


 騒動に、通りかかった車が止まり誰かが降りてきたのを見て、イリュージュは一緒にいるところを見られてはいけないと思いその場を去って行った。


 助けられたアディスは、車から飛び出された時に頭を強く打った事で記憶喪失になっていた。

 名前は思い出せても他の事が思い出せないアディス。


 そんなアディスに近寄ってきたのは貴族令嬢ウィンヌ。

 学生の頃からアディスと結婚したいとずっと付きまとっていた。

 記憶がないアディスに、ウィンヌは「私は貴方の婚約者よ。ずっと学生の頃から交際していたじゃない」と吹き込んだ。

 頭が混乱しているアディスはその言葉を信じた。

 
 

 いよいよ婚約発表会見を迎えた日。

 会場で待っているウィンヌが突然逮捕された。

 容疑は「殺人」だった。

 会見が行われる前で、記者達も唖然となるばかり・・・

 複数の検察官が現れウィンヌを連れてゆく。


「お騒がせしてすみません」

 と、現れた一人の女性検察官。

「私は検察官の・・イリュージュと申します」

 あの事故で右手を亡くしたイリュージュが、検察官としてウィンヌを逮捕しに来たのだった。


 イリュージュは何も知らない顔をして去って行った。

 しかしアディスはイリュージュを見て

「俺、あの人を知っている。・・・事故の時、助けてくれた人・・・」

 と、言い出した。

 
 イリュージュを見たことで、アディスの失われていた記憶がだんだんと戻ってきた・・・

 




 


 

あらすじ

 事故で怪我をした皇子アディスを助けようとしたイリュージュは右手を銃で撃たれた事で切断してしまった。
 事故で記憶を失ったアディスに婚約者だと偽って近づいてきた貴族令嬢ウィンヌ。

 婚約発表の日にウィンヌに突然の逮捕状がでた。
 容疑は殺人・・・

 その時現れた検察官は、アディスを助けようとしたイリュージュだった。

 愛ゆえ・・・そしてその先にあるものは? ・・・

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