ねぇ、僕じゃダメ?
気付いたら最後
これは本気でヤバい。

鍵をかけて、思い出として蓋をした感情が、箱の隙間からどんどん流れてくる。

やっぱり、、、

好きだ。

呆気なく本心を引きずり出されてしまった。

「鈴成くん?どうしたの?予約、いつ取りますか?」

桃田さんの声が木霊して頭の中で渦を巻いてる

「あ、いや、すみません。来週の土曜日10時でお願いします」

「かしこまりました。では、来週15日土曜日10時にお待ちしております。」

「よろしくお願いします」

またきつく蓋をするしかない。

己の自己満で周りを巻き込むわけにはいかないんだ。

気付いたなら、また知らんぷりすればいい。

式が終われば会うこともないんだから。

そうだ。

それまでは知らん顔を貫き通さなければ。

誰にも気付かれないように。

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