智賀子さんの部屋でご飯を食べながら、色々な話で盛り上がっていると、突然インターホンが鳴った。

時刻は十九時少し前。
ご主人である専務は出張の筈だった。
この時間の来訪者なんてまず考えられるのは、宅配便の人だろうか。

智賀子さんがモニターで相手を確認すると、玄関へと向かった。

何やら話し声が聞こえるけれど、私は史那にご飯を食べさせながら愛由美ちゃんの相手をしていたので、誰が来たのかはわからない。

そうこうしていると、智賀子さんとその人が一緒に部屋に入って来た。

私はその人の顔を見て驚愕した。

……何故、ここにいるの。

私の心臓はまるで万力に締め付けられたかの様に苦しくなる。
こんな寒い季節なのに、冷や汗が止まらない。

……待って、落ちついて。
きっと彼は気付いてない。
あの時の私と今の私では、見た目が全然違ってる。

「ママーっ、あーん」

史那のご飯をねだる声で我に返った私は、史那に視線を戻し、史那の世話をする。

この行動は、決して不自然ではない筈だ。

私は史那の口にスプーンを近づけ、きちんと口の中にハンバーグが入ったのを確認すると、手近にある布巾で史那の口元を拭う。

そんな私の行動を、彼は入口から眺めている。

智賀子さんと一体どんな知り合いで、何故ここに居るのだろう……。