「でも……」

私の言葉を彼が遮る。

「挙式はこの日だけど、入籍はそれよりも早く……。
そうだな、僕が挨拶に行く日にご両親から了承を得たら、その足で行くぞ。

史那ちゃんの方は、DNA鑑定結果が出る前に認知するとまたうるさい輩がいるから、証拠を揃えた上で認知して、戸籍も移す。

その辺の手続きはこちら側の弁護士に相談する。

ご両親には、僕が挨拶に行く時に話をするから、それまでに早急に日程を調整してくれ」

彼の一方的な発言に、私の意思なんてお構いなしだ。
さもこれは決定事項だと言わんばかりに淡々と語る彼を、冷めた目で見つめる私に、ようやく気付いたのか、不意に表情を緩めた。

「僕はこれ以上周囲から結婚しろと言われずに済む。
君は史那ちゃんと一緒に僕の元で何不自由なく生活が出来る。
お互いにWINWINの対等な契約だと思うが、何が不満だ?」

如何にも自分の発言が正しいと言わんばかりの傲慢な発言に、言いたい事は沢山ある。

でも所詮、言い返した所で覆る事はもうないのだ。
言うだけ無駄なら黙って受け入れるしかない。
そして、私も彼みたいに割り切ればいい。
ルームシェアだと思えばいい。
史那の父親である彼と、愛のない生活を…。

しかし……。