何故だろう、彼からのメッセージに溜息しか出てこない。

忙しい彼の仕事の邪魔をする訳にはいかない。
わかっている。でも……。

『わかりました』

一言だけ入力して、メッセージを送信した。

……どんなに言い訳を考えたとしても、理由はただ一つ。
やはり私の気持ちは、あの頃と変わっていないのだ。
でもそれを肯定してしまえば、またあの頃の様に苦しむだけ。

自分が意図しない再会だったけれど、史那の存在を認めた上で、いきなり結婚話をされて戸惑う私を、彼はどう見ているのだろう。

史那を理由に結婚話を持ち出したのか、それとも彼の言う様に、周囲からの結婚話を断る口実にされているのか……。

私のご都合主義で、もしかしたら彼にもまだ私に対する気持ちが残っているのか……。

多分それはないだろう。
私を見つめる目線はとても冷たく、とてもじゃないけれど愛情なんて感じられない。

それに、私が彼の前から姿を消した後の彼の素行は、週刊誌ネタでの情報だから確かなものではないけれど、余りにも酷過ぎる。

ゴシップ好きな人が好き勝手に書いたものかも知れないけれど、世間からは女性関係の派手な人だと思われるには十分な内容の記事だったし、彼もそれを否定するコメントを一切出しておらず、信憑性の高い話なのだと納得せざるを得ない。