青い夕日
出会い
桜黄高等学校は県内一、荒れている事で有名な学校。何でこんな学校があるか不思議なくらい。

廊下から爆竹音が聞こえる。
一年二組。
これが私のクラスだ。
担任はモヤシみたいな男。『こーれ静かにしろぉ。』担任は以前よりも情けなくなった。
この前、学年一荒れている本郷風月(ホンゴウフヅキ)に腹パンされて肋骨を折ったからだ。
『瑠伽、何冴えない顔してまじめに座ってんだよ。』この子は荒原胡羅奈(アラハラウラナ)。
見かけは怖いけど優しい。
『ウチと風月って同中だったんだ。』
『中学生の時からあんな感じだったの?』
胡羅奈の顔が少し暗くなった。
『ここだけの話、あいつ超いじめられてたんだぜ。』
『え?嘘でしょ?』
『変な噂流されてリンチされたり超ヤバかったんだから。』
すごくビックリした。
風月にそんな過去があったなんて・・・。

『きゃーっ!!』
廊下から叫び声が聞こえてきた。
『見に行こうぜ!』
胡羅奈と一緒に人が大勢いるところまで駆ける。
『本郷!今まで俺が味わってきた思い、味わえ!』
そこにいたのは学年一のいじめられっ子の轟基(トドロキモトキ)だ。
『やめろ!落ち着け!』
その時だった。
『皆揃ってジロジロ見るなぁ!!』
基の手から上履きが飛ぶ。
『琉伽!危ない!』
『えっ?』
すると、私に覆い被さるように誰かが出てきた。
唇と唇が重なる。
『大丈夫か?』
私をかばってくれたのは風月だった。
『ご、ごめんね。怪我してないよね?』
まっすぐな瞳。
少しキュンとくる。
『大丈夫。南咲こそ大丈夫か?女の子に暴力振るうなんて最低だよな。』
私が座っている後ろには基の上履きが落ちている。
『俺が返してくるから南咲は教室帰ってろ。』
『あ、ありがとう!』


< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop