秘密にしないスキャンダル
寂しいだけです
「おかしい……」

テレビや新聞、雑誌やネットを時間がある限りずっと見張っているけれど先日朝陽と一緒に撮られた写真が流出している様子はなかった。
まあ、流出して騒がれたところで叔父と姪なのでスキャンダルになりようがないのだけれど、何の騒動の前触れもないのが逆に不自然で不気味だった。

「隆君に先に説明しておきたいのに連絡つかないしな……」

前もって隆矢からクランクアップに向けてかなりハードなスケジュールになると言われていたけれど、まったく連絡がとれないほどだとは思わなかった。

「ユウナ、ハルト、そろそろ時間だ」

「わかりました。
行くぞユウナ」

「はぁい」

今日は前に隆矢とも共演したゲストMCが進行する音楽番組に出演して、やっと完成した映画の主題歌となる新曲の初お披露目をする。

正直言って歌う気分ではないのだけれどそんなことを言ったら陽人に叱られるだけではすまないだろう。

「せめてもの救いは、しっとりとした曲と歌詞だってことかなー」

「……お前、歌う気分じゃないなとか思ってただろ」

一瞬で思っていることを見破られ思いきり睨まれてしまい、勇菜は肩を竦めると誤魔化すように微笑んだ。
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