part-time lover
第9話


寄せては返すゆるい波に揺られているような、心地よい夢を見ていた気がする。

手を引かれるような感覚で徐々に意識が現実に引き戻され、ゆっくり瞼をあけた。

ここはどこだっけ。

目をしっかり開けて、陽さんの寝顔が見えたところで、昨日の記憶が徐々に蘇る。

そうか、私は彼と一夜を共にしたのか。

この後解散までの流れはどうなるんだろう。

遮光カーテンのおかげで今が夜なのか朝なのかよくわからないけど、きっとおそらく外は明るくなっているだろう。

なあなあに解散して、余韻に引きずられながら今日1日をダラダラ過ごすくらいなら、彼が寝てる間にこの部屋を抜けたほうがいいんだろうか。

そんなことを数分間考えていると、目の前の彼の瞼に力が入るのがわかった。

ピクッと痙攣した後に、ゆっくりと瞳を開けて、視線があった。


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