神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
いざ、人としての生活へ

私の名前はペセル。
ペセル・ロジェスタ、二十歳。
女神ペルセポネである私が生まれ変わったのは人界にあるパタル王国、そこのロジェスタ公爵家だった。
私は公爵令嬢として、様々な教育を受けつつも自主性を重んじる公爵でこの国の宰相である父、キリア・ロジェスタと天然おっとり母サーシャ・ロジェスタによって愛情たっぷりに育てられた。

前世に値する神界での記憶とは比べ物にならないほどの自由を、私は大いに謳歌していた。

二十歳の誕生日を迎えるまでは……。

それは三日前に遡る。
私の誕生日は盛大にロジェスタ公爵邸でパーティーを開いた。

高位貴族のみの招待といっても、面倒なお客さんも来るわけで……。
とうとう、この日私はさらっと言われたのだ。
「公爵様方が溺愛なさっているのは分かるけれど、二十歳でまだとか、行き遅れよね……」

今までしっくりくる相手が居ないのだから仕方ないと父と母も、結婚をせっついて来ることも無かったので、私は意識していなかった。

自身が社交界ではとっくに行き遅れである事実を……。

公爵令嬢、ペセル・ロジェスタ。
転生して自由を謳歌してのほほんと、過ごしすぎたようです……。
しっかりしているようで、どこか抜けていたペセルの周囲が動き出す。
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