キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
④初めて手を繋いだ日
「ズバリ、ふたりは偽装カップルでしょ!」

 宙斗くんと放課後にアイスを食べに行った日の翌日、登校してきた私は教室の自分の席に座ったとたん、クラスの女子たちに囲まれて尋問を受けていた。

「え、そんなワケナイヨー」

 私はにっこり笑顔を貼り付けて動揺がバレないよう努めた結果、声に抑揚がなくなってしまった。

「その片言が怪しい」

 すかさず女子に突っ込まれ、私は「うぐっ」と胸をおさえる。 

 で、ですよねー……。

 もちろん、自覚はある。しかも、あんなヘタな芝居ではバレるのも時間の問題だった。

 宙斗くんはまだ学校に来ていない。今ここにいたら、彼は嫌いな女子に囲まれて卒倒していただろうから、来る前に私がかたをつけなければ。

「な、ならさ、どうしたら信じてくれるの?」

 私はいっそ、みんなが信じる徹底的証拠とはなにかを聞き出して、片っ端から実行していくつもりで問いかける。

「そうだなぁ……」

「デート、してるところ見せてもらうとか?」

「ああ! それで判断するのが、手っ取り早いよね」

    

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