お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
第九章 素直な彼女がかわいすぎて
本当は、お互いの気持ちなど、とうにわかっていたはずなのに。

それでも、恥じらう彼女の口を無理やり割らせてしまったのは、俺が珍しく本気で嫉妬というものを経験したからかもしれない。

「着いたよ」

シートベルトを外したと同時に、彼女の柔らかな唇に口づける。

俺が食んでいくうちに、桃色はつややかな紅へと染まり、同時に頬は赤く上気していく。

「柊一朗さん……待って、ここじゃ」

車の中が不満なのか、彼女は困ったように視線を漂わせた。

その潤んだ瞳と、荒くなった吐息が、いっそう俺をかき立てているとは知らずに。

抵抗するように俺に手を突っ張るけれど、たいして力も入っておらず、本気で嫌がるつもりはなさそうだ。

つまり、いいってことだよな?
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