天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース

過去

「爽子、帰りは遅くなるの?」
リビングからママの声。

うーん。
「夕食はいらないわ。行ってきます」


今日は泰介さんと夕食の約束をした日。
午後に京都出張から帰ってきたばかりだから、遅くなるかもしれないな。

ピコン。
『今日中に片づけないといけない仕事があるから、会社に寄る。悪いけれど、会社まで来てくれる?』

やっぱり忙しいんだ。

『いいですよ。30分くらいで着くと思います』

『1時間で終わるから、一階のカフェで待っていて』

『はい』

これ以上、泰介さんの負担になりたくはない。
そう思ってはいても、会いたい気持ちの方が強くて、
私たちは時間を見つけて会っている。
だからせめて、仕事の邪魔はしたくない。

『ゆっくり仕事をしてくださいね。私は待っていますから』

『ありがとう』
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