「好きです。付き合ってください」



 中庭で待人を焦がれていたら、


 熱烈な告白が耳に届いた。



 ちなみに今の告白は


 私が常日頃才上くんにストーカーよろしく行なっている告白ではなく、


 通りがかりの同級生男女二人のやりとりだ。



 というか私も毎日才上くんに告白してるわけではない。



 わりと週1ペースだ。

 多いときは週5だけど。



 ……毎日、ではない。

 かろうじて。



「よろしく、お願いします」



 盗み聞きしていた告白は

 どうやら実ったらしい。



 思わず拍手してしまった。


 どうやら幸せな二人には聞こえていないみたいだけれど。



 チラ見した恋人同士の二人は


 とても幸せそうな顔をしている。



 素直に、うらやましいなぁと思った。



 私はたぶん極端に恋愛経験が少ない。



 中学まではそれなりに告白されたことがあるけれど、


 一度もお付き合いはしたことがない。



 加えて初恋は高校生になってから。


 しかも不毛だと知ってて

 泥沼入りしてるわけだから救えない。



 でもズブズブ一人の男子に泥沼入りしちゃうくらいに、


 高校生になってからというもの一切お声がかからないのだ。



 中学生でわずかながらにも

『モテ期』

 と呼べる時期があったのだから


 それを逃すべきではなかったと、

 後悔しても遅いわけで。



「珠莉。待った?」



 いつのまにやら現れた才上くんの顔を見たら、


 後悔も吹っ飛んで消えてしまうから


 反省は意味をなさないのだ。