目覚めたら契約花嫁

縮まる距離感

「リン様、私がやりますので。」

「ううん、皆は忙しいでしょ？少しだけキッチンを借りるわね。」

「リン様こそ。お休みの日ぐらい、ゆっくりなさってください。」

「リン様の気が済むようにお使いください。皆は各仕事へ。」


キッチンで押し問答している私達に割って入ったのはダヴィだ。

ダヴィの一声で持ち場に戻っていくシェフ。


「ありがとう、皆。ダヴィもありがとう。」


お礼を言った。

ロイへのお礼は簡単なお菓子。

ダヴィに付き添ってもらい、足りない材料は購入済み。

ダヴィに相談したら………


『お喜びになりますよ、きっと』


後押しもしてくれた。

さあ作ろう！

キッチンの一角を借りて、買ってきた材料を洗い始めた。