クールな弁護士の一途な熱情



うーん、と悩みながら駅前を歩く。すると、一軒のカフェが目に入った。

それは、白とスカイブルーの色を組み合わせた爽やかな外壁をしたオシャレなカフェ。

白い木製のドアと窓枠が北欧テイストでかわいらしい。



こんなオシャレなカフェできたんだ!

こっちの通りは久しぶりに来たから知らなかった。けどまだ真新しいし、オープンして一年くらいだろう。

ちょっとお茶でもしようかな。

外観に惹かれ、休憩がてら立ち寄ることにした。



ドアを開けるとカラン、とベルが鳴る。

それを聞きながら店内を見回すと、吹き抜けとなった店内は、白とライトベージュを基調としており雰囲気がとてもいい感じだ。



「いらっしゃいませ、一名さまですか」

「あ、はい……ってあれ?」



声をかけられ、店員のほうを見る。

すると、そこにいたのは黒いダブリエを身につけた森くんだった。



「も、森くん!?」

「あれ、果穂だ。いらっしゃい」



まさかここで会うとは思わず目を丸くする。

一方で森くんは相変わらず愛想のない顔で、私を奥の席へ通した。



「なんでここに?」

「なんでって、ここうちが経営してるカフェだから。言っただろ、自営業やってるって」



そういえば、この前の飲み会で言っていた。



「森くんの家って食堂じゃなかった?」

「俺が継ぐにあたってカフェに変えたらそれが大当たりしてさ。ここは2号店」

「へぇ……すごい」



食堂を継ぐのが嫌でいっそカフェにしてしまったというわけだ。

でも2号店まで出せるなんてすごい。


席に着きメニュー表をひらくと、飲み物からケーキまで軽食を中心に豊富に並んでいた。


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