この可愛いヤツがオオカミ君だったりするんですが。
恋したら互いを甘んじて受けるべし

梅雨に晴れ間があるように、私の枯れた心にも潤うときがある。

彼氏いない歴、10年。

鈴木 愛月、31歳。

大光商事は理容・美容専売品を販売提供する大手メーカー、私は営業部美容部門のチーフに抜擢されて1週間。

これから私の手腕発揮かと思いきや……



「 え! 妊娠!? あ、そう、おめでとう!」

「 え!! 結婚するの!? やだ、おめでとう!」

「 あ… それは御愁傷様です…… え、長期的に休む? 」



等々…


ある年齢になればめでたい話も悲しい話もあるわけです。

そして彼氏すらいない私は部下となるスタッフ3人から辞表を受け取る。

これでは仕事にならないと課長に人員補充を申し出に行くと、人事課へ行けと言われ行ってみると、そこにヒョロっとした男性がいた。



「 あの、美容部門の鈴木ですが… 」

「 ちょうど良かった、鈴木さんに新人スタッフを紹介するよ 」

「 新人?」



くるりと向き返り私とご対面した彼、ドキドキした。

素直に何かが私の中を駆け巡った。



この子……



「 初めまして、鈴木 壱流と言います。今日付けで移動になりました、よろしくお願いします!」



可愛いー!!




< 1 / 22 >

この作品をシェア

pagetop