アイスクリームと雪景色
成田美帆30歳の現実
クリスマスまでに彼氏を作る。
美帆(みほ)がそんなことを考え、初めて男性と付き合い始めたのは、女性としての小さな節目を迎えた26歳。ある意味、微妙な年齢だった。
イベントのために――いや、そろそろ将来を見据えなければと自分本意な動機で男を調達しようとした罰だろうか。
その人とは4年間の交際の末、破綻した。そう、奇しくも今年のクリスマスシーズンの入口で、振られてしまったのだ。
イブにはプロポーズされるかもしれない。
そんな期待でいっぱいに膨らんだ胸を、鋭い針の先で、ぱん! と、割られた。
あとには何も残らず、ただちくりとした痛みだけが、独りとなった彼女をいつまでも責め苛む。
成田(なりた)美帆 30歳 恋人なし
『今年のクリスマスは、独り静かに過ごそう。目立たず騒がず、クリスマス仕様の男なんて求めず、反省するんだ。そして、それから』
気弱に呟きながら、彼女は予感した。
自分はもう、恋人と呼べる人とイブを過ごすことはないだろうと。
美帆(みほ)がそんなことを考え、初めて男性と付き合い始めたのは、女性としての小さな節目を迎えた26歳。ある意味、微妙な年齢だった。
イベントのために――いや、そろそろ将来を見据えなければと自分本意な動機で男を調達しようとした罰だろうか。
その人とは4年間の交際の末、破綻した。そう、奇しくも今年のクリスマスシーズンの入口で、振られてしまったのだ。
イブにはプロポーズされるかもしれない。
そんな期待でいっぱいに膨らんだ胸を、鋭い針の先で、ぱん! と、割られた。
あとには何も残らず、ただちくりとした痛みだけが、独りとなった彼女をいつまでも責め苛む。
成田(なりた)美帆 30歳 恋人なし
『今年のクリスマスは、独り静かに過ごそう。目立たず騒がず、クリスマス仕様の男なんて求めず、反省するんだ。そして、それから』
気弱に呟きながら、彼女は予感した。
自分はもう、恋人と呼べる人とイブを過ごすことはないだろうと。
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