【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
9話 急接近した夜
〇にぎやかな飲食店の中。夜。

仕事終わりに、華は美香とともに話題のフレンチバルのお店に立ち寄った。
ターコイズブルーと白で統一されたインテリアはオシャレで、BGMのセンスもいい。
肝心の料理もお値段以上の美味しさだった。まさに女子のためのお店といった感じで、
人気があるのもうなずける。

美香「はぁ〜。デザート食べ過ぎたぁ。太っちゃう! でも美味しかったぁ」
美香はご満悦の様子で、お腹をさすった。
華「いいお店だったね!誘ってくれてありがと」
美香「やっぱりこういうお洒落な店は女同士ですよね! 男なんて、唐揚げがないとすぐに不満そうな顔しますし」
そんな軽口にふたりで笑いあう。
華(たしかに……高級フレンチを食べ慣れてそうな育ちの光一さんも唐揚げは大好物だもんね。
男の人ってそういう生き物なのかも)

美香「あ、でも思ってたより遅くなっちゃいましたね。鈴ノ木さん怒らないですか?」
美香は華奢な手首に巻かれたピンクゴールドの腕時計を見ながら、言った。
お喋りに夢中になりすぎて、いつのまにか十一時近くになっていた。
華「うん。連絡はいれたし、そういうことで怒るような人でもないし」
美香「わ〜。イケメンエリートで寛大!完璧すぎる旦那様!」
華「あはは……」
華(というより、私の行動になんの関心もないだろうし。むしろ少しくらい心配とか
嫉妬とかされてみたいよ)
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