文の幸福
“私の本能”この言葉に翻弄さたのが、14年前の今日。

三歳の私は夜中に目が覚めて、横に寝ている両親から離れ、リビングに行きこっそりテレビをつけた。


そこには、呪いの井戸ではなく、妖艶な外人女の裸のドアップだった。

テレビの外人女は“女の喜び”と言いつつ、画面のココに向かって諭すように、アッハン、ウッフンを説いた。

食い入るように見ていた私を父親が私を発見し、焦ってテレビを消し目がギンギンな私をなだめ再度寝かしつけた。


私が中途半端にみたのは夜中に放送されていた“エマニエルフジン”。


彼女が説いていたことを両親にあまりにも、質問するものだから、余計なものを見ないようにTVは制限され、TVのコンセントに南京錠をつけられてしまった。


私の恋愛スキルは、母親の古い漫画や友人からこっそり借りた、恋愛漫画やちょっと過激な小説のみ。


ヒントが足りずエマニエルの言う“私の本能”は謎のまま。
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