愛され女子になりたくて
愛され女子になりたくて
文房具メーカー「さくら堂」。
営業部一課の三年目、佐藤 花菜美(さとう かなみ)二十五歳。

親元から離れ、同じ会社に勤める二つ上の姉・穂花(ほのか)と二人暮し。

姉は商品開発部企画課で、主任をしている。
美人で総合職の、巷で言うところの【ハイスペック女子】。

妹である私は、パッとしない十人並の顔に(ブスではない・・・はず)、内勤の営業事務。
加えて、大人しい部類に入る。

そんな私は、もう、二年も片想いしている。

「佐藤さん、おはよ」

「青山さん、おはようございます」

青山 健吾(あおやま けんご)27歳。営業部のトップセールスマンで、一課の主任で、姉の同期であり、私の想い人。

「青山さん、おはようございますぅ」

フロアに入ると、事務の女の子達が黄色い声で出迎える。
180センチは有ろう長身に、スッキリとビジネスカットされた黒髪。
モデルか俳優か?っていう位の、イケメン。
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