Violet Detective

西園寺パーティー事件

それは、私が寄生虫学者の二人と暮らし始めてまだ一週間しか経っていない頃。夕食を三人で食べている時に、右京さんが言ったのだ。

「今週の土曜の夜は、西園寺虎徹（さいおんじこてつ）のパーティーに呼ばれたからそこに行くぞ」

ちなみに、私が居候を始めてから食事は私が全て作っている。二人は料理はできない。

「西園寺虎徹って、あの西園寺グループの！？」

東さんが驚くのも無理はない。西園寺グループは日本で一二を争うグループだ。数多くの会社を経営している。

右京さんは自分で自分のことを天才と言っているが、それは本当のことらしい。世界中に医療関係の知り合いがいて、テレビ電話で会話している。また、数多くの賞状をもらっている。

「でもさ、何で行くことにしたの？普段はこんなの行きたがらないのに……」

東さんはシチューを口に運びながら右京さんに訊ねる。

「やっぱり、パーティーに呼ばれることは多いんですか？」

私が訊ねると、「そうだ。天才の僕と仲良くしたいらしい」と百人聞けば百人がムッとするであろう台詞を右京さんは放つ。